【インタビュー】実際に家族葬を行ったご家族に聞く——「静かに見送る」という選択

はじめに:増える「家族葬」という選択

「――……母が亡くなったのは、まだ寒さの残る2月のことでした」

そう語って下さったのは、堺市にお住まいの佐藤美智子さん(仮名)。
今回は、実際にお母様の葬儀を家族葬で行った佐藤様に、準備から当日、家族葬を通して感じたことまでを伺いました。
この記事では、実際に家族葬を行って分かったメリット・デメリット、そして準備のリアルな流れを、このインタビューを通してお伝えします。

家族葬をご検討されている方は是非、ご一読ください。


家族葬とは?一般葬との違いを整理

「家族葬」という言葉はよく聞くものの、実際にどこまでが“家族”なのか、どんな流れなのか分かりにくいかと存じます。

一般的には、家族葬とは親族やごく近しい友人だけで行う小規模な葬儀を指します。
形式は自由度が高く、「通夜+葬儀」「一日葬」「火葬式」などさまざまです。

💡 ポイント: 家族葬は「費用を抑えるための葬儀」ではなく、
「故人をゆっくり見送るための葬儀」として選ばれるケースが増えています。

「母の希望は“静かに家族だけで”」——家族葬を選んだ理由

コロナ禍以降、少人数で行う「家族葬」を選ぶ人が急増しています。
結果的に、佐藤様も「家族葬」を選択しました。

佐藤様:
「私の中で最初に浮かんだのは「一般葬」でした。私が若い頃はそれが当たり前でしたから。

でも、母はもともと人付き合いが穏やかで、「最後は家族に囲まれて静かに見送ってほしい」と話していました。

そして、コロナ禍以降の社会の変化もあり、「大人数の葬儀」に抵抗を感じる親族も多かったのです。

また、私たち家族も高齢の親族が多かったので、大人数の一般葬よりも負担が少ない形を望みました


実際の流れ:家族葬の準備から当日まで

① 葬儀社との出会いと打ち合わせ

佐藤様が当社へのご依頼を決められたのは何がきっかけだったのでしょうか。

佐藤様:
「葬儀社に3社ほど電話連絡をして比較しました。
どの会社も「家族葬プラン」がありましたが、口コミと対応の良さが決め手となり、INORITEさんを選びました。
一時間程で病院まで迎えに来て下さり、そのまま式場へ母を連れて行ってもらいました。

打ち合わせでは、次のようなことを話し合いました。

・参列人数(約10名)

・お坊さんを呼ぶかどうか

・食事の有無

・香典の扱い

・花祭壇のデザイン などです。

担当の方が「慌てなくて大丈夫です。お母さまらしいお式にしましょう」と言ってくれたのが、とても心強かったです。

最終的には、

・参列者は10名ほど

・通夜は行わず、一日葬形式

・香典は辞退
という形にしました」

佐藤様のように、一日葬という選択をされる方は増加傾向にあります。
「食事などの通夜準備や宿泊負担を減らしたい」という方にご好評です。


② 費用の目安と実際の内訳

佐藤様のお葬儀に、実際どれほどの金額が必要だったのか確認してみました。

佐藤様がお支払いされたのは、葬儀費用としては約45万円で、全体では約65万円でした。

内訳を確認し、一覧化したのが以下の表です。

佐藤様:「香典は辞退したため、実費負担は全額家族持ちでした。
ただ、一般葬と比べて返礼品や受付準備が不要だったのは大きな負担軽減でしたね」

↓より具体的な葬儀事例を知りたい方はこちら↓


③ 式当日の流れと雰囲気——「静かで温かい時間」だった

佐藤様:「当日は午前中から式場に集まりました。
生花祭壇には母の写真と、母が好きだった色のお花が飾られていました。

しばらくした後、司会進行のスタッフさんからインタビューを受け、母の人となりや、伝えたいメッセージなどをお話しました。
式が始まる前に、そのスタッフさんが母の人生をナレーションという形で紹介してくださり、非常に感動しました。

式はお坊さんの読経から始まり、ひとりずつ焼香。
人数が少ない分、慌ただしさはなく、静かで穏やかな時間が流れました。
私は母の遺影を見つめながら、「こうしてゆっくりお別れできる時間を持ててよかった」と心から思いました」

そしてご家族は故人様へお花を手向け、お棺の蓋を閉じました。
霊柩車の先導のもと、自家用車にて火葬場へ向かわれます。

佐藤様:「火葬場でも待ち時間に食事をしながら親族で母の思い出を語り合い、自然と笑顔がこぼれる場面もありました。
悲しみだけでなく、感謝の気持ちや温かさを感じられる葬儀だったと今でも感じます」


家族葬のメリット:ゆっくり・自由に・心を込めて

家族葬を選択され、良い点をたくさん感じられた佐藤様。
それがどういうものであったのかを伺い、まとめさせていただきました。

1️⃣ 故人と向き合う時間がしっかり取れる

「参列者が限られている分、一人ひとりが母としっかりお別れできます。
時間に追われず、形式に縛られず、心から感謝を伝えることができました」

「大勢に気を使う葬儀ではなく、故人様とのお別れに集中できた」
——これを最大のメリットとして挙げられました。


2️⃣ 準備と当日の負担が軽い

参列者が少ないため、受付や返礼品、会食の手配などがシンプルになります。
精神的にも体力的にも余裕が生まれ、家族でゆっくりする時間を持てました。


3️⃣ 費用をコントロールしやすい

「必要なことだけを選ぶ」形式なので、プランを柔軟に調整できます。
豪華な装飾を省き、花に重点を置くなど、“心の満足度”を軸に設計できるのも魅力です。


4️⃣ 故人の希望を尊重できる

母は「静かに送り出してほしい」と言っていました。
その願いを叶えることができたことが、家族にとって何よりの慰めになりました。
高齢の親族も無理なく参加でき、良かったです。


家族葬のデメリット:実際に困った・悩んだこと

では逆に、デメリットとして挙げるとすれば、どういうものが考えられるのでしょうか。

1️⃣ 弔問の対応が後日に分散した

葬儀に呼ばなかった知人や近所の方から「お線香だけでも」と訪問されることが多く、
結果的に葬儀後の数週間は来客対応が続きました。

対策:あらかじめ「家族葬にて執り行いました」と連絡しておくのがおすすめです。


2️⃣ 一部の親族に理解されなかった

「一般葬をしないなんて」と言われたこともありました。
しかし、母の希望を伝え、丁寧に説明することで最終的には理解してもらえました。

対策:家族葬・一日葬を選ぶ際は、事前に親族と充分に話し合うことがとても大切です。


これから家族葬を考える人へ伝えたい事

「家族葬を検討されている方に、伝えておきたい事は?」
こちらの質問のお答えを、まとめさせていただきました。

①信頼できる葬儀社を事前に探しておく
亡くなってから葬儀社を探すのではなく、事前に『万一の時にはここに連絡する』という
葬儀社を見つけておけばよかった。そこは後悔しています。

②「誰を呼ぶか」を決める
 → 家族だけか、親しい友人まで呼ぶかで準備内容が大きく変わります。

③香典の扱いを明確にしておく
 → 辞退するなら早めに伝える。後からのトラブル防止になります。

④地域や宗派の慣習を確認する
 → 自分の家の宗派を知らず、慌ててしまいましたので、調べておけば…と思いました。

⑤“見送り後”のサポートも考える
 → 葬儀後の手続きや法要の準備も相談できる葬儀社か確認を。

佐藤様:「家族葬は“簡素な葬儀”ではなく、“心を込めた葬儀”です。
形式にとらわれず、家族が納得できる送り方を選ぶことが一番大切だと思います。

焦らずに、信頼できる葬儀社としっかり話し合うこと。
それが、後悔しないお別れにつながります」

佐藤様のように、家族の絆を感じられるお葬式こそが、葬儀の本来の形かもしれません。
この度はお忙しい中、ご回答ありがとうございました。


まとめ:「小さくても、温かいお葬式」

いかがでしたでしょうか。
実際のお客様の声を交えて、家族葬の流れをご紹介いたしました。

家族葬INORITEイノリテ堺深井ホールでは、葬儀当日のサポートはもちろん、
「葬儀の流れや費用を知っておきたい」「準備物について相談したい」といった事前相談を無料で承っております。
「葬儀の内容について決めておきたい・葬儀の費用を知っておきたい」など… 事前に相談し決めておくことでご心配事が一つ消えるかもしれません。
心配事やご不安な点等ございましたら些細なことでも構いませんので、どうぞお気軽にご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 家族葬でも僧侶を呼ぶことはできますか?
A. はい。読経や戒名の授与など、一般葬と同様に対応可能です。

Q2. 香典を辞退する場合、どう伝えるのがよいですか?
A. 案内文に「誠に勝手ながら香典は辞退させていただきます」と記載します。

Q3. 家族葬の服装は略式でも良い?
A. いいえ。基本的に喪服を着用します。黒のスーツ・ワンピースで問題ありません。

Q4. 家族葬後にお別れを希望される方がいたら?
A. 「後日お参りいただける機会を設けます」と伝えるなど、柔らかい対応が望ましいです。

Q5. 法要や納骨はどのタイミングで行う?
A. 四十九日法要の際に納骨を行う事が多いです。葬儀社や寺院に相談を。

Q6. 一日葬と家族葬の違いは?
A. 一日葬は通夜を行わず1日で完結する形式。家族葬は「誰を呼ぶか」で定義されます。


🔗 参考リンク
全日本葬祭業協同組合連合会:葬儀の基礎知識
厚生労働省:葬祭関連ガイドライン



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