親御さんが亡くなったとき、「喪主はちょっと…」と感じてしまうこと、実はとても自然なことなんです。お金の心配、精神的なプレッシャー、家族との複雑な関係など、さまざまな理由で喪主という役割に不安を感じる方は、思っている以上にたくさんいらっしゃいます。
この記事では、喪主って具体的に何をするのか、辞退したいときはどうすればいいのか、といった疑問にお答えしていきます。堺市で長年葬儀のお手伝いをしてきた私たちが、実際のご相談をもとに、「こうしなきゃいけない」ではなく「こういう選択肢もありますよ」というお話をさせていただきます。
目次
1. 喪主って何をする人?役割を分かりやすく解説
喪主が実際にやること
喪主というのは、葬儀全体をまとめる立場の人で、故人に代わって弔問を受ける役割があります。具体的には、葬儀の日程や会場、どんな形式にするか、予算はどうするかといった大事なことを決めていきます。お通夜や告別式では参列してくださった方々へのご挨拶をしたり、お寺の方や葬儀社との連絡窓口になったりします。
他にも、火葬の許可証を申請したり、香典返しの手配をしたり、お布施の準備をしたりと、葬儀にまつわるいろいろな手続きの中心になります。でも安心してください。こうした作業は葬儀社がしっかりサポートしてくれますので、全部一人で抱えなければいけないわけではありません。
喪主は誰がやるもの?一般的な決まり方
一般的には、配偶者がいれば配偶者が喪主を務めることが多いです。配偶者が高齢だったり体調が悪かったりする場合は、長男が務めるというのが昔からの流れでした。でも最近は、長女や次男など、性別や生まれた順番にこだわらず、「この人が一番適任かな」という感じで決めるご家族も増えています。
大事なのは、これはあくまで「慣習」であって、法律で決まっているわけではないということ。それぞれのご家庭の事情に合わせて、一番いい人が務めれば良いのです。
喪主になると、どんな負担がある?
まず経済面では、葬儀費用を負担することになります。堺市だと平均で100万円から200万円程かかりますが、家族葬や直葬といったシンプルな形を選べばもっと抑えることもできます。
時間的な負担も結構あります。準備から当日の対応、その後の法事や挨拶回りまで、かなりの時間が必要です。そして何より大きいのが心の負担。大切な人を亡くした悲しみの中で、たくさんの判断や対応を求められるのは、本当につらいことです。
2. 喪主になりたくないときの、よくある質問にお答えします
Q. 喪主って断ってもいいんですか? A. はい、法律上の義務ではないので断れます
結論から言うと、喪主は断ることができます。日本の法律では、「この人が必ず喪主をやらなきゃいけない」という決まりはありません。喪主というのは法的な義務ではなくて、あくまで慣習や家族の話し合いで決まるものです。
ただし、断る場合は他の親族にきちんと理由を説明して、理解してもらうことが大切です。さらに、「じゃあ誰がやるの?」という代わりの人を明確にする必要があります。親族の中で引き受けてくれる人がいるか、葬儀社の代行サービスを使うか、具体的な案を出すことで話がスムーズに進みやすくなります。
Q. 喪主を辞退したら、代わりは誰がやるんですか? A. 他の親族や、葬儀社が代理を務めることもあります
兄弟姉妹、おじさんおばさんなど、他の親族の中で引き受けてくれる人にお願いできます。何人かで役割を分担する「共同喪主」という形も可能です。
最近は、葬儀社が代理喪主として対応してくれるサービスも増えています。葬儀の進行や挨拶、各種手続きを葬儀社が担当して、形式的な喪主の立場も代わってくれるのです。このようなサービスがあると知っているだけでも、少し気持ちが楽になりますよね。
Q. そもそも親の葬儀って絶対やらなきゃダメ? A. 法律上の義務はありませんが、最低限の手続きは必要です
実は、葬儀を執り行うことは法律で義務付けられていません。ただし、遺体を適切に火葬または埋葬することは、墓地埋葬法という法律で決められています。つまり、死亡届を提出し、火葬許可証を取得し、火葬さえすれば、お通夜や告別式といった儀式は省略しても法律的には問題ありません。
お金や精神的な理由で大きな葬儀が難しい場合でも、最小限の火葬式や家族葬という選択肢があることを覚えておいてくださいね。
3. 喪主を引き受けたくない…その理由、よくわかります
心に余裕がない・親との関係が良くなかった
大切な人が亡くなった直後は、深い悲しみで心が不安定になるのが当たり前です。そんな状態で、たくさんのことを決めて、大勢の人の前に立つ喪主の役割は、想像以上に重いものです。
長年疎遠だったり、虐待やネグレクトを受けていたりして、親との関係が良くなかった方もいらっしゃいます。そういう方が喪主として葬儀を仕切ることに抵抗を感じるのは、当然のことです。うつ病や不安障害などメンタルの問題を抱えている場合や、体の病気や障害がある場合も、無理する必要はまったくありません。
お金の問題で葬儀自体が負担
仕事を失っていたり、借金があったり、生活保護を受けていたり…経済的に厳しい状況では、数十万円から数百万円もする葬儀費用を出すのは現実的に難しいです。子どもの教育費や住宅ローンなど、他に優先すべきお金の問題がある場合、葬儀にお金をかけると家計が苦しくなってしまいます。
堺市でも、費用を抑えたプランや、市の葬祭扶助制度を利用する方が増えています。経済的に大変な状況であることを恥ずかしく思う必要はありません。正直に相談することが解決への第一歩です。
親族とのトラブルを避けたい
葬儀費用や香典の扱いをめぐって親族間でもめることがあります。それに、「盛大にやるべき」「質素でいい」など、葬儀の方針で意見が分かれている場合、喪主はその間に立って調整しなきゃいけなくて、板挟みになってしまいます。
兄弟姉妹の仲が悪かったり、長年の家族の問題があったりする場合、葬儀という感情的になりやすい場面で衝突が表面化するリスクもあります。こういう人間関係の問題は、葬儀という限られた時間の中では解決できないことが多いです。
4. 喪主を辞退するとき、考えておきたい3つのこと
親族としっかり話し合う
喪主を辞退したいと思ったら、できるだけ早めに親族に伝えましょう。具体的な理由を冷静に説明して、「兄に代わってもらえないか」「葬儀社の代行サービスを使えないか」など、具体的な代わりの案を出すことで、建設的な話し合いができます。
完全に辞退するのが難しければ、「形だけ喪主になるけど、実際の作業は兄弟で分担する」といった負担を減らす方法を提案するのも良いでしょう。
葬儀の形式や規模を見直してみる
「親の葬儀は盛大にやらなければ」という考えにとらわれず、家族の状況に合った規模を選ぶことも大切です。家族葬、一日葬、直葬など、負担を抑えた形式も、あたたかな弔いの形です。堺市でも家族葬を選ぶご家庭が増えており、全く珍しいことではありません。
葬儀の形に「こうあるべき」という正解はありません。故人の希望、遺族の状況、お金の事情などを総合的に考えて、一番いい形を選ぶことが、故人への本当の弔いになるんじゃないでしょうか。
葬儀社に相談してみる
葬儀社は葬儀のプロです。どんな悩みでも相談に乗ってくれます。司会進行を全部やってくれたり、各種手続きをサポートしてくれたり、喪主の負担を軽くするサービスがたくさんあります。
親族で意見が割れている場合も、葬儀社が中立的な立場から意見を調整して、落とし所を見つける手伝いをしてくれることもあります。一人で抱え込まないで、プロの力を借りることを考えてみてください。
5. 喪主を辞退しても大丈夫。他の方法もあります
家族の別の人に喪主をお願いする
長男が経済的な理由や健康上の問題で喪主を務められない場合、次男や長女が引き受けるケースは珍しくありません。大事なのは、誰が喪主をやるかではなく、故人をきちんと弔うことです。実際に、兄弟で葬儀費用を折半して、役割を分担してスムーズに進めたご家族もたくさんいらっしゃいます。
最小限の葬儀(直葬・火葬式)という選択
直葬は、お通夜や告別式をせずに、故人を直接火葬場に運んで、火葬だけを行う一番シンプルな方法です。費用は10万円台から20万円くらいに抑えられて、時間も半日程度で済むので、精神的にも体力的にも負担が少ないのが特徴です。
火葬炉の前で家族だけで静かに手を合わせて、故人との思い出を語り合う時間は、大きな葬儀に負けないくらい大切な弔いの形です。経済的にも精神的にも余裕がないときは、この選択肢を考えてみる価値は十分にあります。
6. 堺市で葬儀をお考えの方へ|使える支援制度とご相談先
堺市でよく聞くご相談
堺市には一人暮らしの高齢者も多く、「自分の葬儀をどうしよう」「兄弟はいるけど疎遠で頼れない」といった相談が増えています。それに、「親の葬儀費用が用意できない」「生活保護を受けているけど葬儀はできるの?」といったお金に関する相談も少なくありません。
堺市の葬儀支援制度・公的なサポート
堺市には葬祭扶助制度があり、生活保護を受けている方や経済的に困っている方が葬儀をする際に、費用の一部または全部を公費で負担してもらえる制度があります。堺市役所の福祉課や、お住まいの区の保健福祉総合センターで相談できます。
さらに、堺市民の方が亡くなった場合、死亡届を出すときにいろいろな手続きについて案内してもらえます。年金、保険、相続など、複雑な手続きについても窓口で丁寧に教えてもらえるので、分からないことがあれば遠慮なく聞いてみてください。
地元の葬儀社として私たちができること
私たち堺市の葬儀社は、地域の皆さんに寄り添って、それぞれの事情に合った葬儀を提案することを大切にしています。お金の不安、家族関係の悩み、喪主になることへの不安など、どんなことでも遠慮なく相談してください。
事前相談も無料で受け付けておりますので、親御さんが元気なうちから、あるいは「もしもの時」に備えて、一度お話を聞かせていただくこともできます。地域で長年やってきた経験と知識を活かして、皆さんの心に寄り添ったサポートをお約束します。
7. まとめ|自分らしい選択をしていいんです
喪主になることに不安を感じたり、辞退したいと思ったりすることは、恥ずかしいことでも無責任なことでもありません。それぞれの家庭には、それぞれの事情があって、それぞれに合った葬儀の形があります。
大切なのは、世間体や慣習に縛られて無理することではなく、故人を心から弔って、残された家族が前を向いて生きていける選択をすることです。喪主を辞退することも、シンプルな葬儀を選ぶことも、正しい選択です。
もし今、喪主を引き受けるかどうかで悩んでいらっしゃるなら、まずは信頼できる家族や、私たち葬儀社に相談してみてください。一人で抱え込まないで、一緒に最善の道を探しましょう。堺市で葬儀をお考えの方は、遠慮なく家族葬INORITEイノリテ堺深井ホールまでお問い合わせください。皆さんのお力になれることを、心からお待ちしています。